【ライノセラス+Grasshopper】でグラデーションのある飛び石を作る【建築】【外構】

ライノセラス上でグラスホッパーを利用して、印象的な建築の外構を作る方法。

建築設計コンペティションのプロジェクトなど、短時間で効果的な外構デザインが求められる場合などに役立ちます。

00: GOAL: Sou Fujimoto – White Tree Tower

Designed by Sou Fujimoto + Manal Rachdi Oxo + Nicolas Laisne Architects. Rendering by RSI-STUDIO. image via http://www.rsi-studio.com/visualization#

引用:Designed by Sou Fujimoto + Manal Rachdi Oxo + Nicolas Laisne Architects. Rendering by RSI-STUDIO. image via http://www.rsi-studio.com/visualization#

藤本壮介氏がフランスのコンペティションにて勝ち取ったプロジェクトのレンダリング。

注目するのはこちら。

Designed by Sou Fujimoto + Manal Rachdi Oxo + Nicolas Laisne Architects. Rendering by RSI-STUDIO. image via http://www.designrulz.com/design/2015/01/the-white-tree-tower-by-sou-fujimoto-montpellier-france/

引用:Designed by Sou Fujimoto + Manal Rachdi Oxo + Nicolas Laisne Architects. Rendering by RSI-STUDIO. image via http://www.designrulz.com/design/2015/01/the-white-tree-tower-by-sou-fujimoto-montpellier-france/

外構の芝生上に配置された飛び石が、あるルールに従って緩やかにサイズが変わっており、ただ同じサイズのタイルを敷き詰めただけでは得られない現代的な雰囲気を作り出している。

こういった飛び石配置は、建築デザインの主な要素ではないものの、レンダリング全体の雰囲気づくりに一役買っていることが見て取れる。

また、こういったデザインは、プレーンにテクスチャを張り付けただけでは得ることができず、モデリングが必要になってくるが、ライノ上でこういった形を一気にモデリングすることは難しい。そこで登場するのがグラスホッパーである。

以下に、簡単に工程を記載する。

※本記事は、藤本壮介氏のコンペ案を題材にしたグラスホッパーの使用例です。私自身は藤本事務所とは無関係ですので、あくまで一種のファンアートのようなものとお考え下さい(^^♪

01:基本的な考え方

今回は円弧状の範囲の芝生の上に通す小道が必要とされた。小道はデザインの進行状況により随時変わるので、飛び石もそれに対応して随時変わる方がいい。そのため、小道のラインをライノ上で描画し、残りはほぼすべてGH上でモデリングした。小道のラインはライノ上でスタディし、飛び石の間隔やサイズはGH上でスタディするという考え方でファイルを作成した。

ライノで作るのはこれだけ

ライノで作るのはこれだけ

02:ライノ+GHでの具体的な工程

以下に、具合的な工程を簡潔に記載する。

今回の設計は、円弧の同心円と放射線を用いたグリッドをベースとしているので、それに対する調整も含まれる。本文最後にGHのファイルのキャプチャを貼り付けたので、そちらも参考にしてほしい。

(詳細については、コメントいただければお答えします。)

  1. 小道のラインおよび、円弧グリッドの中心線や敷地境界線等をライノ上で描画。
  2. GHで飛び石のグリッドを作成、敷地や範囲内だけになるようトリム。(今回は、円弧の同心円と放射線を用いたグリッドとしている)
  3. グリッドから交点を取り出し、各飛び石の中心点とする。
  4. 交点に対してライノの小道データをアトラクター要素としてセット
  5. セットしたアトラクター要素に対して飛び石がどのようにふるまうのかをセット(ここでは、「Graph Mapper」で分布がより思い通りになるように制御)。
  6. 飛び石の種類を5段階くらいに合理化
  7. 今回円弧グリッドなので、ライノ上の円弧中心点を使用して飛び石の角度を回転、調整する
  8. 調整した飛び石を「Boundary Surfaces」でサーフェスにしてBake。完了
最終のGHファイルがコレだ。(画像クリックで拡大)

最終のGHファイルがコレ。(画像クリックで拡大)

 

rhino-grasshopper-how-to-make-gradient-tiling-with-attractor

いくつかのパターン

まとめ

基本的なサンプル自体はネット上にて非常にたくさん配布されている。それがそのまま自身のプロジェクトに援用できる場合はほとんどない。やりたいことと微妙に違ったり、具体的なプロジェクトでは、敷地の形状が毎回変わるので、それにどう対応するかなど、細かい部分がでてくるから。ネット上で探してきたものを、要所要所自身のプロジェクトに合うようにカスタマイズすることが重要と思われる。

おすすめのRhinoceros・Grasshopper関連の書籍

Rhino、GHを始めるなら、以下の書籍は手元にあったほうが作業がはかどると思います!かなりオススメです!

~初級者編~ Rhino含め改めて学びたい方

建築設計事務所Noizの書いたRhino+GHの本です。第二版で刷新がくわえられて、表紙の色は青から赤へと変わっています。読みやすく、わかりやすく、モチベーションも上がる、かなりおすすめの本となっています!!

~初級~中級者編~ GHでできることを知りたい方

GHメインで、GHのアドオンも併用して、いろいろなできることを紹介した「レシピ本」となっています。こちらも、増補改訂版として増版されており、表紙の色は、青系から緑系に変わっています。
私はまだ第一版しか購入してないのですが、増補改訂版では、Pythonを連携させるための基礎編+応用編が新たに追加されているようです!この内容で、中級~上級に少し対象が変わっているかもしれません。この2冊があれば、あとはWebで調べて何とかなるかも、感じで、逆に言えば、いろいろWebで調べることは可能だけども、最低この二冊は、フィジカルな形で手元に置いておくとかなり頼もしい書籍と言えると思います!!

コメント

  1. 初級者ですがお問い合わせ失礼いたします。

    コンポーネントを調べた上で作成したはずなのですが
    各カーブ、ポイントについての関連付けがうまくいかず
    適切な結果をえられておりません。

    よろしければ各関連付けをご教示いただけますか。
    https://dotup.org/uploda/dotup.org1686269.png

    • コメントをいただきありがとうございます!!
      コメントに気づかず返信が遅くなり申し訳ありません。
      ずいぶん前の記事なので、少しうろ覚えなのですが、送っていただいたキャプチャを拝見すると確かに各コンポーネントの配置はほぼ同じようですね。
      パッと見る限り一部違うのが、コンポーネントの入力部分で設定されている「Graft」の位置が違うようですね。各コンポーネントの入出力の際にGraftするかどうかでデータの扱いが変わりますのでご注意ください。
      参考URL:
      https://www.applicraft.com/tips/rhinoceros/graft_flatten_simplify/
      頂いたキャプチャでは、最終的にやりたいことなどがこちらではわからず、現時点では、このような回答になり申し訳ありません。(最終的にやりたいことは本ブログのものと同じでしょうか?)
      もし、より具体的に知りたい場合は、ツイッター( @bimtechnic )などでもやり取りできるかと思います。(お力になれるかはわかりませんが、、)
      この度はコメントありがとうございます!
      よろしくお願いいたします。