今年も年度末の季節がやってきました。
取引先が官公庁関係の設計事務所の方は、来年度から運用開始の物件がひと段落終えて、現在竣工図をまとめかかっているという方も多いかもしれません。
最近、仕事で気になった、「しゅんこうず」の書き方について、少し書いてみようと思います。
「しゅん功図」? 「竣工図」?
かくいう私も、2年がかり、8,000㎡規模の建物の設計監理をようやく終えて、竣工図を整理しています。
(竣工図は、通常は施工者がまとめることが多いのですが、今回は変更が割とあった事もあって、施工者と設計者、半々くらいで作業を進めています( ;∀;) )
今日もPCに向かって作業をしていたら、後ろから、
後輩「あれ、《しゅんこうず》の字、間違っていますよ!?」
と声をかけられました。どうやら、私の図面枠にある、「しゅんこうず」の間違いに気づいてくれたようです。
私「ええ、そう!?どれどれ…」
図面「しゅん功図」
後輩「《竣工図》が、《しゅん功図》になってます!!」
私「いや、これであってるよ。お施主さんからもこれで指定があったし。。」
後輩「えっ、そうなんですか!?」
というやり取りがありました。
竣工図の「竣」は常用漢字ではないらしい。
気になって調べてみると、
まず、竣工と竣功は同じ意味らしい。
しゅん‐こう【竣工・竣功】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について
〘名〙 (「竣」は終わるの意) 建築工事、土木工事などが完了すること。落成。竣成。〔布令必用新撰字引(1869)〕
※菊池君(1908)〈石川啄木〉四「網走線鉄道の竣工した暁には」
そして、
竣工の「竣」は常用漢字には、ない漢字のようです。
[blogcard url=”https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E7%94%A8%E6%BC%A2%E5%AD%97%E4%B8%80%E8%A6%A7″ title=”常用漢字一覧” content=”常用漢字は2136字。下表の配列は常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)に準じる。”]
Wikiを見ても、
確かに、ない。
4種類の「しゅんこうず」が考えられる。
つまり、 全部漢字で書く又は常用漢字で書けるものについては漢字表記(それ以外はひらがな)、という2種類のルールがあり、それぞれに2通りがあるので、 「しゅんこうず」には、以下の4通りの書き方が考えられます。
- 竣工図
- 竣功図
- しゅん工図
- しゅん功図
会社の過去の竣工図を見ると、圧倒的に、というかほぼ「竣工図」でした。
個人的にも、「竣工図」が一番なじみがあります。
ただ、官公庁として、常用漢字を使うとすると、「しゅん工図」か「しゅん功図」になってくるのですが、なんとなく印象的には、「しゅん功図」が多い気もします。
実際、とある自治体の仕様書に基づいて今私が作っているのも「しゅん功図」です。
が、検索してみると、自治体によって、「しゅん工図」もありますね。
同じ自治体でもケース毎に違う表記、というのもありそうです。
同じ自治体でも部署(建築と土木とか?)によっても違うのかもしれません。
「しゅん功図」作成の際 には、事前の確認が必須。
以上のことを踏まえると、どれも正解でもあり、お施主さんによって指定があれば、それが正になる、ということになるのかと思います。
ただし、設計者としては、上記のようにケースバイケースであるということを知っておくこと、また仮にアドバイスを求められた場合、上記なような背景を踏まえて適切にアドバイスできるとなお良いのでは?と思います。
まとめるとすると、「しゅん功図」作成の際には、事前にお施主さんに表記の確認をしておくことが、手戻りがなくて良さそう・その際に逆質問があったときは答えられる用意をしておくことも大事ということになりそうですね!(^^♪♪
記事のタイトル画像:
image by Malachi Witt.
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