建築設計におけるARCHICADのおすすめ書籍についてまとめています。建築学生・初級~ガチ実務設計まで建築設計のレベル別に紹介したいと思います。
実はARCHICADは日本語の解説書籍自体はそれほど多くありません。本記事で紹介する本が、その中心的なものになるかと思います。
ARCHICADは、Web上の情報が結構充実してるので、そちらを参照するのもありだと思います。
以前記事にまとめたことがあるのでそちらもぜひご覧ください。
関連記事:【ARCHICAD】まずチェックすべきウェブサイト6選
そうはいっても、基本となる書籍が手元にあるというのは安心感が全然違います。以下では、建築学生・初級~ガチ実務まで建築設計のレベル別にARCHICADのおすすめ書籍・本を紹介します。
建築学生~ボリュームスタディ、1/200程度の作図まで
建築学生の時点でARCHICADをはじめようとしている方には
「ARCHICAD 21ではじめる BIM設計入門 [企画設計編]」
がおすすめです。
基本的な操作方法が網羅されているので、スラブ、柱、梁、壁要素の入力方法から、モデリングしたものを図面として切り出し、それをレイアウトしていくまで、一通りが学べると思います。
これを読めば、スキマティックデザインと呼ばれる1/200スケールレベルのモデリングと図面の作成までが可能になると思います。
当然、サンプルモデルも含まれてますのでそちらもかなり参考になります。
(今のARCHICADのバージョンが22で、本書は21なのですが、機能的にはそれほど違いがないので問題ないかと思います。)
実は本書は、2冊構成の1冊目です。1冊目の本書が「企画設計編」、2冊目が「基本・実施設計編」になっています。
なので、これからARCHICADを導入したり、転職先がARCHICADを使っていたりする建築実務設計者の方にとってもマストな書籍かと思います。
まず本書を手に取ってみて、何となくARCHICADの雰囲気をつかめてきたら、その流れで2冊目の「基本・実施設計編」に移行できると思います。
ARCHICADのレンダリングについて知りたい場合
学生の方でARCHICADのレンダリングについて知りたい人がいると思いますが、残念ながら本書にはレンダリングについては書かれていません。2冊目の「基本・実施設計編」にすこし書かれていますので、それを購入するのもいいのですが、書籍購入を一冊で済ませたい場合は、以下のサイトが参考になるかもしれません。
Graphisoftのページで、日建設計がまとめた効率的な内観パース作成TipsのPDFなどが閲覧できます。
関連リンク:
Cinerenderを使用した効率的な内観パース作成Tips
基本設計~実施設計の初期段階まで
ここからは建築実務設計でのARCHICAD利用を検討されている方向けになります。
ARCHICADで基本設計までをこなして、詳細設計な実施設計に移る段階で2DCADに移行するという運用形態をとっている設計事務所は多いのではないか、と思います。
ARCHICADで基本設計までをこなしたい場合、先ほどの「企画設計編」から引きつづいて、
「ARCHICAD 22ではじめるBIM設計入門[基本・実施設計編] 」
がおすすめです。
実施設計の記述については、個人的にはかなり内容不足な感が否めません(というより、事務所個々にやり方が違うので、どうしてもその通りにはできない)が、実施設計への展開を本書でなんとなく把握しながら基本設計をBIM化しておくという事ができるので、基本・実施がセットになっているメリットは大いにあるかと思います。
BIMはなかなか導入が難しかったり、やってみてつまずいたりしますが、個人的には、基本設計程度までなら現状のARCHICADでも全然BIM化できますし、そのメリットは情報管理、認識共有などの点において、既存の2DCADに比べても非常に大きいと実感しています。
実施設計も完全BIM化する場合
実施設計までを完全BIM化するというのは、まだまだハードルが高いことなのですが、そんなときに役立ってくれるはずの書籍が、以下の2冊になります。
本書はタイトル通り施工図向けの書籍なのですが、実施設計図が施工図レベルにまで仕上がっているほど現場がスムーズにいくという事を考えても、建築意匠設計者にとっても参考になる書籍です。
何より、「施工図サンプル、鹿島建設仕様テンプレート入りCD-ROM付」というところがしびれますよね (^^♪
実際に実施図面レベルまでをBIM化したい場合、痒いところに手が届くアイデアが必要となってきますので、 鹿島建設仕様テンプレートを見れるとの言うのは何を置いても大きいのではないでしょうか?
最後に紹介するのが、
「徹底ArchiCAD20作法 第1部成功へのArchiCAD20 改造術(環境設定編) 」
です。
これは、ARCHICADというソフトウェアの環境設定に特化した非常にマニアックな書籍なのですが、建築設計業務でガンガンARCHICADを使っていく人にはぜひともおすすめの書籍です。
こちらの書籍に関しては、以前記事を書いたことがあるので、そちらもご覧ください!
実施図レベルをBIM化するには、運用方法の検討、社内・社外共有が必須
ここまで、スキマティックデザインから、実施設計図までで使える書籍を流れで紹介してきました。
一応補足しておくと、建築の設計図はコスト情報(素材、数量、工法)を伝えたり、設計意図を伝えるためのものなので、現状のところ、ソフトを覚えれば描けるというものではないです。
なので、上記の書籍のとおり操作しても、特に実施設計レベルになるとどうしてもやりきれないところが出てきます。
そこから先は、おそらくまだ未知の領域で、各設計事務所やゼネコンが社内でいろいろ苦闘しているところだと思います。そのレベルまで行くとそこから先は、事務所同士やカンファレンスでの情報交換などで交換可能なナレッジを共有しつつ、各自切り開いていく感じになっていくと思います。
なので、この記事でいうことではないかもしれませんが、最後は書籍に頼るな、ということも重要になってくるかと思います(笑)
(まあ、実はそれがある意味、このサイトを開設した理由でもあります。)
以上、「ARCHICADで建築設計する時におすすめの本・書籍はどれ?建築学生~ガチ実務設計までレベル別に紹介!」でした。
Cover image: screenshot of Graphisoft HP
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