Graphisoft本家のYouTubeチャンネルで、次期メジャーアップデート、ARCHCAD 24 のティーザーが公開されています。かなりすごいことになっているその内容を見ていきましょう。
追記 実際にARCHICAD24を開いてみた記事はこちら
・ARCHICAD 24 日本語版がリリース。23からの作業画面の変わり具合を確認してみた。
ARCHICAD 24 ティーザーが公開
約2ヶ月ぶりの投稿です。お久しぶりです。
スマートフォンに通知が来て、Graphisoft本家のYouTubeチャンネルで、次期メジャーアップデート、ARCHICAD24のティーザーが公開されていたので、久しぶりに投稿しようと思います。
では、早速、公開されたティーザーです。
同時に本家の方のウェブサイトも更新されていますね!!
ティーザーそして公式サイトからわかるARCHICAD24の新機能を見ていきます。
すべてを紹介しきれなそうなので、個人的にかなりポイントの高い変更点について、以下、ご紹介いたします。
ちなみに、海外版のARCHICAD24は、すでに利用可能です。
ロゴが変わった!
ロゴが変わってますね、細身の可愛い感じになっています。これまでのロゴはバージョンアップでも色が変わるだけでしたので、新鮮です。
ノードベースオブジェクト作成ツール、PARAM-Oを実装。
HPではすでにページができていて、PARAM-Oが実装されています。
以前より、とあるフォーラムのスレッドで噂されていましたが、公式が開発していた新機能だったようです。
このPARAM-Oですが、ノードベースのパラメトリックなオブジェクト作成ツールとなっており、RhinoでいうところのGrasshopper、RevitでいうところのDynamoにあたるツールに近いかと思います。(ただし、PARAM-Oで作成できるのはオブジェクト要素のみになります。将来的にOが取れて色んな要素を扱えるようになるといいですね。)
ネーミングが若干、微妙な感じがしますが、、、今後の設計にかなり好影響を与えそうなツールです。デザインもそうですが、特に効率化の点では、すぐにでも役立ってくれそうです。
今のところアドオン扱いで、Windowsのみの対応のようです。
また、現段階ではプレビュー版とのことです。
あと補足ですが、基本的にはGDLをコーディング無しでパラメトリックにモデリング機能なので、作成できる要素はオブジェクト要素に限られると思います。作成したオブジェクトはファイルの「埋め込みオブジェクト」に格納されるようです。
詳しくはこちらのドキュメンテーションをご確認ください。
MEPツールの内部化。
MEPツールはARCHICADの拡張機能としてありましたが、有料のプラグインの扱いでした。ARCHICAD24では、そのMEP機能が本体に実装されるようです。
意匠設計者でもなんだかんだダクトの検討をしないといけないときがあったりするので(笑)これもかなり期待できそうです。
Pythonに対応
これも大きいですね。ARCHICADがPythonに対応しました。
覚えなければいけない言語がまた一つ増えます(笑)
Pythonを使えるようになることで、ドキュメンテーションやデータベースの修正関係でのオペレーションを自動化することができます。
どんなことが自動化できるか、リンク先にサンプルが載っています。
詳しくは使ってみないと何とも言えませんが、例えば、IDの末尾に番号を振りなおすときの振り直し順序とか、数百室ある客室のゾーンの番号振り直しとかに使えそうです。
ダークモードに対応(macOS)
あとは、ダークモードに対応したりしているようです。ただ、macOSのダークモードとの連動のようです。Winユーザーには関係ないかもしれません。Windowsでも実装されるといいですよね。
Revitとのダイレクトなやり取り
Revitの.RVTファイルをダイレクトに読み込めるようです。おそらく前まではなかったと思います。Revitが世界的にはシェアの上位を占めている以上、この機能は必要になってくると思います。
構造解析モデルをARCHICADに統合する(統合開発環境)
これは今回のアップデートの最も大きな新機能のひとつです。日本でどのように普及していくか、興味深い機能のひとつです。たぶんやろうとしているのは、作成されたARCHICADモデルから、構造解析用のモデルを作成するということです。これにより、構造設計者が別途一から解析用モデルを起こさなくて済むということで、ARCHCADがさきほどのMEPツールも含めて、意匠・構造・設備を一括する、建築の統合開発環境になるということです。
解析モデルは構造的に一体である必要があり、実際の柱梁の納まりと特に端部などで違うモデルになることがありますが、そのような修正をサポートする機能などが実装されたということのようです。
かなり画期的ですし、ひとつのマスターモデルをすべての起点にするということは最終的に省力化に繋がると思いますが、海外、そして日本でどのように受け入れられていくのかを考えると、かなり野心的な機能とも言えると思います。
詳細はこの辺りのページで確認できます。
その他の更新点一覧
以上が個人的に、大きく気になった新機能です。
これだけでもかなり大きな追加機能と言えると思います。
思えば、昨年のARCHICAD23が、柱、梁、分類などのARCHICADの根本機能の改善で、割と(重要ですが)地味目な改善という印象だったのに対して、今年の新機能はかなり抜本的な追加という印象があり、今年は結構すごいのではないでしょうか。
公式に上がっているその他の更新、追加機能をリストで上げておきます。
統合設計
- 統合された構造解析モデル
- 構造解析モデルの表現
- ArchiCADの中の自動構造解析モデルの生成
- 構造解析モデル取引所- SAFとIFC SAV
- 統合されたMEPモデラー)
コラボレーション
- 追跡チームワークプロジェクトの変更
- 管理上の変更及びレート保証ArchiCADの中のモデルの品質
- モデル比較
- 可視化モデルの変更
- ArchiCADの中での問題管理
- ArchiCADと他のアプリケーションでの問題管理
コーディネーション
- プロジェクトコーディネーションプラットフォームとしてBIMcloud
- BIMcloudでのプロジェクトとファイルの管理
- BIMcloudでのチームの管理
生産性の向上
- 新しい住宅用家具要素
- ポリライン編集機能の改良
- Excelにエクスポートすると「プルダウンメニュー」として使用可能なArchicadオプションセットの値
- DGN v8サポート
実験機能
- Archicad用のJSON / Python API
- Macでのダークモードサポート
- IFC構造分析モデルのインポート/エクスポート
BIMx
- iOSアプリケーションの更新
- Desktop Viewerの更新
- BIMxの無制限の3Dモデルサイズ
こんなかんじのようです。
以下にリリースノートというか、詳細が載っています。動画もあったりするので、いち早く詳細を知りたい人は見てみてください。
すでにインターナショナル版はリリースされており、日本版は今年の秋くらいのリリースになると思われます。
日本版のリリースも楽しみに待ちたいと思います。
追記 実際にARCHICAD24日本語版を開いてみた記事はこちら
・ARCHICAD 24 日本語版がリリース。23からの作業画面の変わり具合を確認してみた。
ARCHICADをこれから理解していこうという方向けの記事はこちら。
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