とある関係で購入した今月12月号の「月刊建築技術」がかなり内容盛りだくさんで素晴らしい内容となっていたのでご紹介します。
特集は、「建築技術2018年12月号 現場で知識を融合してつくり込む構造設計」!!
正直、建築技術という雑誌自体初めて買いまして、1900円(税込価格・価格は記事掲載時の情報です)でこれだけの専門的な情報が詰め込まれていることに驚きました。(ソフト関係のチュートリアル本などは大抵3500~4000円以上はしてきますから。。。)。
建築技術を初めて買った私が言うのもなんですが、この号は年末の12月号だけあって一年の締めくくりにふさわしい、かなり気合の入った内容になっていると思います。
特に、特集である「現場で知識を融合してつくり込む構造設計」が、今この時代の問題意識(また個人的な最近の感覚)にかなりヒットする内容になっています。(特に規模の大きめのプロジェクトが多いかもですが)規模の大小に関わらず、建築に携わる技術者には大いに共感するところがあると思います。
特集冒頭では、腰原幹雄先生の文章として、建築業界の分野が多くの領域に専門化、細分化されてきた現代建築の状況の中で、その各技術者の領域をできるだけ重ね合わせて建築を統合していく必要があり、そのためには、各専門家は自分の専門領域を追求すると同時にその周辺の建築全般に関する知識、興味も広く持ち合わせて思考していく必要があるということが少し触れられています。
そのあたりの問題意識は、建築実務に携わっている者としてかなり共感できます。
また、実際まだまだ現場に入ってからの、設計者だけでなく、施工者を含めた現場のみんなで考えて生まれる納まりだとか解決策も多いけれど、割とそれらは関係者の経験値として関係者にのみ蓄積されて残っていっているという点を疑問点として、結果それを「現場で知識を融合してつくり込む構造設計」として、みんなで共有しようという問題意識も、オープンソース化というか、個人的にはかなりわかる話になっています。
(一方で、昨今の一部のスーパーゼネコン以外の施工者の技術力の低下を考えると、これまで以上に設計者、監理者がオールマイティにちゃんとしないといけないなぁ、ということを実感しているのも事実です。)
特集の論文数は26件。現代を代表する構造設計者が勢ぞろい!!
実際、特集の中身はどうかというと、現代を代表する幅広い年齢層の構造設計者が寄稿していて、かなり読み応えのあるものになっています。小規模な木造の特殊な継ぎ手の話から、普段あまり扱わないPCa・PCなどの特殊な材料まで、多種多様なエピソードが載っています。
この特集の実践的な使い道としては、例えば、初めての構造形式に出くわしたときなどに、この特集の該当する構造のエピソードを一通り読むだけで、ある程度流れや勘所がつかめたりしそうです。
(ちなみに私はRC、PCa・PC、S、SRCなどを経験したことがありますが、まだ木造がありません(笑)木造をやるときは参考にしようと思います。)
↑↑実際の詳しい内容、目次、寄稿者の情報は、アマゾンのサイトの概要部分で割と詳しく見れます。
構造デザインMAP 2017も便利そう。
別特集の「構造デザインMAP 2017」もかなりマニアックなMAPですが、旅行するときの建築めぐりの検討などに便利そう。いつもと違った建築を観れそうです。。
知識・経験のオープソース化ともいえる本特集は非常に貴重な情報源
実は、この雑誌を購入したきっかけというのが、私も関わっているプロジェクトが載っていたので買ってみた、という感じだったのですが、中身を読んでみて、かなり専門的で「買い」な雑誌でした。建築関係って、世界最古の職業だけあって?、Web・IT関係などと違ってなかなかプロジェクトや技術的な情報というのが、ネット上などでも少ないのが非常に勉強しづらい、経験がものを言う世界にしてしまっている一因なのだと思うのですが、こういった形で知識、経験を共有してくれてるのはうれしいですよね。
↑↑なかなかこういった特集は珍しいのでは!?
今後も面白そうな特集があれば、また建築技術を購読していければと思っています!!
同じ出版社のこの本も、なにか良さそうなんですよねえ~。。。(笑)
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