ついに本日ARCHICAD24が日本国内でもリリースされましたね。
すでにダウンロードが可能となっているので、実際にダウンロードして起動してみました。
10/1に開催されたGraphisoft JapanのARCHICAD 24リリースイベント、「Building Together Japan 2020」はオンラインながら内容盛りだくさんですごかったですね。
残念ながら今はアーカイブが閉じられており再度見返すことはできませんが、新機能発表、ユーザー事例などかなり濃い内容でした。そのうち何らかの形でまとまってくれればいいなと思っています。
(実は私も本業の方で少し発表させていただいてました。)
同日、新製品ARCHICAD24の発表もあり、また本日(10/5)すでに日本語版が利用可能となっています。
新しいARCHICAD 24の注目の新機能については、以前、インターナショナル版リリースのときに記事にしましたので、気になる方はそちらをご覧ください。
上の記事で、ざっくり個人的に気になった新機能としてあげているのが、
- 構造解析モデルをARCHICADに統合する(統合開発環境)
- ノードベースオブジェクト作成ツール、PARAM-Oを実装。
- MEPツールの内部化。
- Pythonに対応
- ダークモードに対応(macOS)
- BIMcloud環境でのRevitとのやり取り
などです。
今回は、上記の点がどのように実装されたか、製品をダウンロードして、実際の作業画面を確認して見ようと思います。
ARCHICAD 24をダウンロード・起動する
まずは、ARCHICAD24のダウンロードですが、以下から行えます。
正規版、体験版、デモ版、すべてオレンジ色の「Archicad 24をダウンロード」から行えると思います。
ダウンロードできたら早速起動してみます。
今回の24の起動画面は、Merdeka 118というスカイスクレーパーです。
マレーシアで建設中の世界で2番めに高いビルで、ARCHICAD24のワールドプレミアでもフィーチャーされていた建物ですね。
起動したらライセンス認証があるので、今回はライセンス不要のデモ版で起動してみます。
デモ版はチームワーク、ホットリンクなど以外のすべての機能にアクセスできますが、保存は行なえません。とりあえずV24の機能を確認するにはいいかもしれません。
作業環境として、意匠、構造、MEP(設備)それぞれのプロファイルが用意された。
以下が開いて最初の作業画面です。
ARCHICAD 23から大きくは変わっていませんが、いくつか新しいツールやパレットが追加されています。
それぞれを確認する前に、まずは、「オプション」>「作業環境」>「作業環境」ダイアログをひらいてみます。
ご覧のように、意匠、構造、MEP(設備)それぞれの作業環境プロファイルが用意されています。
これはARCHICAD 23にはなかった大きな変化ですね。24からARCHICADが意匠、構造、設備の統合開発環境になりうる存在へと大幅にアップグレードしたことに追従する象徴的な変更と感じます。
「意匠」作業画面
まずは意匠プロファイルにしてみます。
これはデフォルトなので、先程と変わりません。意匠プロファイルで23からの変更点を見てみます。
左側のデザインツールに新機能「MEPツール」が追加されています。また、上部のパレットにそれぞれ新機能の「案件マネージャ」、「MEPエンジニアリング」「構造エンジニアリング」が追加されています。
「構造」作業画面
続いて、さきほどの作業画面より、「構造」プロファイルに変更してみます。
切り替えると、左側のデザインツールが8つに減りました。柱、スラブなどの構造に関わる基本機能の他に、これも新機能の「構造サポートツール」「構造リンクツール」という構造設計に関わるツールが追加されています。
上部の「構造エンジニアリング」ツールバーも少し項目が増えています。
構造関係の新機能の詳細については、このあたりが詳しいです。
・統合された構造解析モデル
・耐力構造の簡略表示
・構造解析モデルの自動生成
・解析アプリケーションでの構造解析モデルの交換
「MEP(設備)」作業画面
MEPも見てみます。
MEPに切り替えると、デザインツール部分がすべてMEPツールに変わります。「ダクト」「パイプ」「ケーブル」の3カテゴリで計26ツールあるようです。
こちらは有料アドオンだったMEPツールが統合されたような感じですね。
また、「MEPルーティング」というパレットが出てきました。
この「MEPルーティング」でダクトルートなどをひとつながりで以下のように簡単に作成できるようです。
MEP関係の新機能の詳細は、以下にあります。
・統合されたMEP Modeler
「意匠」作業環境を詳しく確認
では、次に再度「意匠」の作業環境に切り替えて、上部のツールバーでどこに何が増えたか確認してみます。
ファイル>BIM cloudへエクスポートが出現
まず、ファイルから行くとファイル直下に「BIM cloudへエクスポート」が新しく追加されています。
(デモ版だとBIMcloudは試せませんのでグレーアウトしています。)
BIMcloudも今後Revitデータを含めた様々なデータを一元管理するプロジェクトのプラットフォームのように進化していくようなので、それに関連した機能と思われます。
ファイル>ライブラリとオブジェクトにPARAM-O関係
ファイル>ライブラリとオブジェクトには、新機能のノードベースオブジェクト作成ツール、PARAM-O関係があります。
「PARAM-O新規オブジェクト」からGH風の作業画面を起動できます。
PARAM-Oはまだプレビューのようで、アドオン扱いなので、以下よりアドオンをダウンロード・インストールする必要があります。インストール後、「オプション」>「アドンマネージャ」よりPARAM-Oが有効化されていることを確認します。
実際に使ってみると、すべての語句が日本語化されていて、GHと同じようなコンポーネントでも少し探すのに苦労するのと、GHであるGraftなどがなさそうで、やはりGHとは別物といった印象です。
そのうちサンプルデータなどが出てきて使い方がわかれば使っていけそうです。そのときに海外のサンプルだと表記が英語だと思うので、やはり英語でのコンポーネント名も併記するオプションが有るとか、英語のコンポーネント名で検索をかけたりはできるといいなと思います。
プレビュー版なので、今後まだまだ進化していくことに期待です!
編集>接続したMEP要素 が追加
編集直下には「接続したMEP要素」が追加されています。
MEP関連の選択オプションのようです。
表示>構造解析モデル が追加
表示バー直下には、「構造解析モデル」が追加されています。これは表現の上書きを使わずに、構造モデル以外を透過させたりする表示オプションのようです。
デザイン>様々な要素が追加
デザインバーには最も多くの要素が追加されています。
今までデザインツールだけだったのが、「建築ツール」「構造エンジニアリングツール」「MEPエンジニアリングツール」になって追加されています。
また、今回のアップデートの中の主要機能の一つである、モデル比較ツールもここにあることが分かります。
構造、MEPについてもここにも項目が用意されています。
ドキュメント>案件マネージャ が追加
ドキュメントバーには「案件マネージャ」関連が追加されています。こちらも今回の追加機能です。
オプション>属性設定にMEPが追加
オプションバーでは、属性設定に、新たにMEPシステムが追加されていることが分かります。
これは「デザイン」にあるMEPシステムと同じダイアログのようです。
Pythonはウィンドウからパレット表示
今回のアップデートの目玉の一つであるPython APIとの接続ですが、ウィンドウバーのパレットから表示できます。
Pythonがインストールされていない場合、適宜インストールが必要になります。
ちなみにこれもプレビュー版ですので、オプション>環境設定>追加オプションから、「Pythonパレットを有効化」にチェックを入れる必要があります。
ARCHICADでのPython関係の情報やサンプルは以下のページで確認することができます。
Building Together イベントではかなり刺激的なデモ(ゾーンに関連づいた要素も含めて情報を処理する)がされていて、あのデモが本当にできればすごいです。
以上、作業画面の変更を簡単に見てみました。
ざっと見てみただけでも今回のアップデートはものすごいですね。新機能が盛り沢山です。
使ってみるのが楽しみです!!
以上、『ARCHICAD 24 日本語版がリリース。23からの作業画面の変わり具合を確認してみた。』でした。
ARCHICAD24の新機能まとめはこちら
ARCHICADをこれから理解していこうという方向けの記事はこちら。
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